『Sunny』を読んだ。
松本大洋の『Sunny』を読んだ。
1〜3巻までは漫画喫茶か何かで既に読んでたんだけど、女の子から1巻をプレゼントしてもらって、それがきっかけでもう一度読んだ。今度は5巻まで一気に読んだ。
この『Sunny』という漫画はプレゼントに適していると思う。正直、女の子からのプレゼントってだけで何貰っても嬉しいものではあるんだけど、女の子からのプレゼントに漫画っていうのは意外で、しかも中身が『Sunny』っていうのはふさわしい感じもあって、その微妙なバランスがいいプレゼントの条件にジャストフィットしてる。
もし友だちの誰かが女の子に『Sunny』をプレゼントしてもらってたらそんなの絶対羨ましいに決まってるし。
裏を返すと、女子はプレゼントに『Sunny』の第1集を検討してみていいかもしれない。漫画でありながら画集のような趣もあるし、何より面白い。サブカルみたいなものが好きでも嫌いでも興味なくても、どんなタイプの人にも訴求力がある漫画だと思う。
僕なんかは単純だから、登場人物の子どもたちや大人たち、それぞれの想いにいちいち泣けるんだけど、泣けないという人もいるかもしれない。それでもその人だってつまらないとは思わないと思う。それというのも、登場人物の子どもたちと大人たちが完璧なぐらい丁寧に描かれていて、絵を見るような楽しみ方もできるからだ。それに泣けないという人の中にはあまりに真に迫りすぎていて泣けないという人もいるかもしれない。
とにかく心動かされる。胸につきあげるような【感情の原形質】の存在を感じる。
言葉にならないようなものを形にするというのはそれだけで素晴らしい尊敬に値することだと思う。しかもそれがとっても綺麗な形に切り取られているとしたら、そんなのは最高以外の何物でもない。
それが『Sunny』で、僕はそれを女の子にプレゼントしてもらった。
このことは客観的も主観的にも本当に価値のあることだと思う。自分で言うのもおかしいけど。
世の女子はぜひビレバンで『Sunny』を買って、そこらの男にプレゼントしてあげてほしい。あなた方は大きな価値を生むことができるし、もっと大げさに言えば、世界をよくすることができる。
しかも一番大事なことには、プレゼントされた男はあなたの名前を決して忘れないだろう。恋愛的にどうこうではなく(場合によってはどうこうかもしれないけど)、この漫画を誰かにプレゼントできる感覚が愛されるのは間違いない。少なくとも僕にとってこのプレゼントは嬉しい以上に嬉しかった。笑顔。